子どもの頃に受けた性的虐待で心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、広島県の40代の女性が70代の実父に約3700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、広島高裁であった。脇由紀裁判長は、不法行為から20年で損害賠償の請求権が消える「除斥期間」を適用して女性の訴えを退けた一審判決を支持し、控訴を棄却した。女性側は上告する方針。
高裁判決によると、女性は幼い頃から実父に下半身をなめられるなどし、小学生の時に姦淫(かんいん)され、虐待は中学2年のころまで続いた。10代後半ごろには当時を思い出して苦しくなったり怒りや恐怖の感情が表れたりした。その後は症状が収まっていたが、祖父母がいなくなった後の2018年1月以降に再び発症し、PTSDと診断された。
争点は除斥期間の起算点や適用の可否だった。
除斥期間の起算点 どう認定
一審・広島地裁は昨年10月、精神的苦痛が生じたのは遅くても20歳ごろだとし、これを起算点とする除斥期間は過ぎていたとして訴えを棄却。高裁もその判断を維持した。
女性側は、社会生活に大きな…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル